ライプリー1




「私の名前は星道美沙輝
『ライブスタープリキュア』の世界でキュアギャラクシーとして戦っている………はずだった」


「突如、現れた謎のプリキュア・キュアブラッド
どうやら彼女は先代キュアギャラクシーのようであった
奴にドールとスパークを奪われ、私はプリキュライブを出来なくされてしまった」


「一体、キュアブラッド………いやキュアギャラクシーこと茅ヶ崎輝とは、そしてキュアダークネスこと門倉音夢とは何者なのか?
今回から数回に分けて、私が亜吉ココロから彼女達の戦いを紹介していこう」



ハピプリ48-1
そういえばハピネスチャージプリキュア!って次回、最終回なんですね。
流し見していたから、今頃気付いたわw
そうか、もうそんな時期か。

ライブスタープリキュア・ゼロ
#00 全ての始まり



星道美沙輝………
彼女は素晴らしい負のエネルギーを持っていた。
私、門倉音夢が彼女に目を付けたのはキュアギャラクシーとの適正が高いだけではない。
度重なるイジメや親の圧力といったものに対し、苦しむ彼女は常に負のエネルギーを放出させていた。
そしてそれ故に力を求めようとする強い心が輝を目覚めさせるのに一役買ったのだ。
そして今、私の目の前で親友・茅ヶ崎輝は復活したのであった。



[プリキュライブ! キュアドリーム!!]


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ピンクの光に包まれ、美沙輝はキュアドリームへと変身する。
一瞬、変身出来た事に驚く音夢と輝であったが、すぐにその理由に気付く。


「ダミースパークを残していたのね………」
「まさかこんな所で使う時が来るとはな………!!」


前に真澄が使っていたのに触発されて生成していたコイツがまさかこんな所で役に立つとは………
だが、戦況は不利なようであった。


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「プリキュア! シューティングスター!!」
「効かない!!」
「ぐわっ!!」


ドリームのドールを奪われ、変身を解除される美沙輝
地面には幾つかのドールを落としてしまった。


「くっ………!!」
「ダミースパークじゃ本来のスパークとは違ってドールの出力が低下する
しかも純正のライブプリキュアである私達にそんな駒では歯が立たないわよ?」
「まだまだぁ!!」

鎧武 45-33
[カメンライブ! 仮面ライダーバロン!!]
[バナナアームズ! ナイト・オブ・スピアー!!]


バナスピアーを使い、ブラッドを突き刺そうとするバロン
しかし、ブラッドは受け止めてしまう。
すぐさま、後退したバロンはベルトのナイフを3回弾く。


[バナナスパーキング!!]


鎧武 44-40
バロンは槍を地面に突き刺し、バナナのエネルギー体を次々と出現させる。
しかしブラッドはそれを飛ぶ事でかわし、空中から銃弾を放つ。
弾は一撃一撃が重く、バロンの硬い装甲でも耐えきれずにいた。


「ウオオオオオオオッ!!」


鎧武 44-32
バロンが植物に包まれるとオーバーロードとしての姿であるロード・バロンとなる。
目を光らせるとどこからか出現したヘルヘイムの植物を操り、ブラッドの身体を締め付ける。

「グオオオオッ!!」


獣のような雄叫びをあげながら、剣を振り上げるロードバロン
が、専用の剣・グロンバリャムは粉々に砕かれ、さらにパンチを食らい、壁に叩き付けられてしまった。
続いてバロン、斬月、グランゴン等のドールを落としてしまい幾つかのドールはブラッドによって回収されてしまった。


「もう、諦めた方がいいんじゃないの?」
「心配される必要はない!!」

[ビビッドライブ! 三枝わかば!!]
「ネイキッドブレェェェェェェェドォォォォォォォォォォッ!!」


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剣から衝撃波を飛ばすわかば
が、あっさり弾かれ、わかばの周りは爆炎に包まれる。


「グアアアアアアアアアアアアアアッ!!」


周りが爆発で包まれ、その衝撃で変身を解かれる美沙輝
それを見て、ブラッドとダークネスはほくそ笑んだ。
そして………



輝と音夢は星空を見ていた。
残念ながら裏山のふもとにある都会の光によって星は見えなかったが、輝と音夢は2人で空を見るこの時間が至福の時であった。
何も考えず、こうして空を見ながら、時を刻むのが昔の2人の楽しみだったのだ。


「こうして2人で夜空を見つめるのも久々だね」
「輝……!!」


ギュウっと輝を抱き締める音夢
その目には大粒な涙が浮かんでいた。
その姿はいつもの厳格なラグエイトのボスの姿ではなく、1人の14歳の少女の姿であった。


「良かった………本当に良かった…………」
「長かったわね、あの日から………」
「ゴメン、私が弱かったから輝をあんな事に………」
「ううん、仕方ない事だよ
私が封印されている間、ずっと頑張ってきたんだから
ありがとうね……」


そう、全てはあの時……小学6年生の春から始まった。
私がキュアギャラクシーに出会った日
私がギャラクシーに憧れ、キュアコスモとなった日
そこからすれ違いとかが色々あって………私達は『親友』となり、2人で人類の平和の為に正義のヒーローをしていた。
そしてイーヴィルが差し向けた刺客であるキュアバトラー、キュアドラゴンらとの激戦
でも………人間達は私達を、私達の信頼を裏切った。
だから私達が滅ぼした。 人間達を………



約3年前
かつての私……門倉音夢は脳性麻痺によって生まれつき足を動かせない身体であった。
いつもは家で過ごしているが、たまに検査の為、この病室に泊まる事も多い。
それ故、からかわれる事も多く、当時小6だった私は学校に行くのが怖く、休む事も多かったのである。

今はプリキュアの力でそれは解消され然程、問題ないが変身前だとたまにピリッとしてしまい、部下には心配されてしまう。
最も変身後なら身体能力が大きく底上げされるので問題は皆無なのだが


その頃の私は静かに本を読むのが好きであった。
その中には歴史を名を遺した人間の伝記も多くあった。
人間の有史には障害を持っていたとしても、懸命に生きていった人間は確かにいる。
だが自分にはベートーヴェンやヘレンケラーのような人間にはなれそうになかった。
自分はそのような人間みたいな才能などは存在しないのである。
だから今日も私はここで静かに本を読み、静かに時を刻んでいる。

何も変わり映えしない毎日だが、自分にはそれがお似合いだった。

何も変わらない………それも立派な幸せの形の1つでであるというのに私はまだ知らない。


「もうすぐ3時か………」

コンコン

「ん?」


看護師だろうか?
それとも誰かがプリントでも届けに来たのだろうか?


「やっほー、初めまして!!」
「アナタは!?」


栗色の髪をなびかせた少女は自分の元へ近づいてくる。
それが、私と茅ヶ崎輝の出会いであった。


「私は今日からこの町に引っ越してきた茅ヶ崎輝!!
今日、アナタのクラスに転校してきたからよろしく!!」
「はぁ………」


茅ヶ崎輝………
初めて彼女を見た時、私は軽くビビってしまった。
彼女は声が大きく、元気すぎて、近づきすぎたら火傷してコッチが掻き消されてしまうような………
まさしく太陽のような存在だったのだ。


「………茅ヶ崎さん
冷やかしに来たならすぐ帰ってくれる?」
「そうじゃないよ!!
隣の席だからプリントとかも持ってきたし
折角、1年間一緒のクラスなんだから引っ越し当日にクラスメイト全員と顔を合わせたかったんだよね」
「じゃあ、プリント渡したらさっさと帰ってくれない?」
「いいじゃん
ちょっと外の空気を吸うぐらいはさ」
「まぁ………いいけど」


そういって私は茅ヶ崎輝という初対面の少女と共に外へ出ていく。
まぁ、それもすぐに終わるだろう。 何故なら………


茅ヶ崎さんに車椅子を押されながら、私は見慣れた病院の中を移動していく。
いつもは親や看護師に押してもらっているので、クラスメイトに押されるのは新鮮であった。
だが………


「………」
「………」
「うん 話す事ないね!!」
「知ってた! 病院何もないからね!!
しかも、私達今日会ったばかりだし!! 何も語る事ないよね!?」


余りにも今更すぎる事を口に零す茅ヶ崎さん
まさか今の今まで本当にその事に気付いてなかったのか。
あまりにも後先、考えない行動をするのを見て、つい溜息をついてしまう。
そういえばいつの間にかため口も使っている。


「うん、私も今気付いたよ
迂闊だった……… 」
「じゃあ、もう部屋に戻りましょ?」
「えー、でも部屋に帰ってもやる事ないよね?」
「ううん、本があるから」
「本とにらめっこするのってそんなに楽しい?」
「まぁ、この足の事でからかわれるよりはずっとマシよ」
「そんな事する人がいるの?」
「まぁね……」
「守ってあげるよ」
「え?」


何を身も蓋もない事を………
彼女に私を守れるはずがない。
言い方は悪いが、こんな無遠慮に人に色々干渉しようとする人には………


「私が門倉さんを守ってあげるよ!
私は『皆のヒーロー』志望だからね!!」
「『皆のヒーロー』って………
そんな幼稚な………」
「だってさ
皆のヒーローになったらさ………」


ズドォォォォォォォォォォン!!


突然、病院内に轟音が走る。
どうやら衝撃音は1階の方から聞こえたらしい。
エレベーターを使いそこへ行くと、既に多くの野次馬が何だ何だといった様子で1階に集まっていた。
見ると、壁には大きな穴が開けられており、砂煙が起こっていた。


「これは………!?」
「一体、誰がこんな事を!?」
(まさか………)


一瞬、顔を強張らせる輝
と思ったら、すぐに慌てた表情を見せる。


「ゴメン、私トイレに行きたくなっちゃった!!
ちょっと席を外すね!!」
「え、茅ヶ崎さん!?」


そういって輝はピューッとその場を去ってしまう。
嵐のような存在である少女がいなくなり、少し落ち着いた音夢
彼女には悪いが、輝は私との相性は悪いようである。
少なくとも自分にとっては………


「もう、本当に慌ただしい人………
にしても誰がこんな悪戯を………!?」


突然、光が外から放たれ、廊下の壁を貫通させる。
余りの衝撃に人々は逃げ出してしまう。
が、私は恐怖で動けなくなっていた。


「地球人め………
これぐらいでビビるとは………
この程度、我々が受けた屈辱と比べれば………全く情けない!!」
「な、何だ何だ?」
「俺はイーヴィル最強の戦士・バイタル!!
貴様らから負のエネルギーを集める為にここに来た!!」
「何だそりゃ?」
「頭、おかしーんじゃねーの?」


病院にいた一般人の群衆がヒソヒソと話し始める。
バイタルと名乗った鍛えられた剛腕を持つ男はイライラするようにし、壁を壊す。


「随分と呑気なものだ
これが地球人か
ゆけぇっ!! クレアカネ!!
奴らを苦しめて、負のエネルギーを放出させるのだ!!」

「ピエエエエエエエッ!!」


クレアカネは雄叫びをあげながら、口から火炎を放つ。
病院はたちまち燃え始め、鋭いくちばしや爪によって病院の壁は破壊され、機材などもメチャクチャにしていく。


「ギャアアアアアアアアアッ!!
化け物ぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
「ウワァァァァァァァッ!!」
「フフフ、いいぞ
いい感じに負のエネルギーを放出させている!!」


イーヴィルの一員であるバイタルには人間の感情エネルギーが見える。

負のエネルギー
それは、かつてトッキュウジャーの世界で『闇』と呼ばれていたものや、スマイルプリキュアの世界で『バッドエナジー』と呼ばれていたものに限りなく似た性質を持っているマイナスの力を秘めているものであった。


「キャアアアアアアアアアッ!!
化け物ぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
「ウワァァァァァァァッ!!」
「いいぞ!!
やはり地球人は感情の振れ幅が大きい!!
地球人がセンチメンタルという情報は本当だったようだな!!
負のエネルギーの放出量が半端ない!!」


自分達はあの過去を持っているお蔭で強靭な心を持っている。
それと比べて、地球人はあまりにも心が脆すぎる。
バイタルは呆れ気味な様子でクレアカネの動向を観察していた。


「ピルゥ!!」
「キャアアアアアアアアアッ!!」
「ウワァァァァァァァッ!!」


逃げ惑う人々から再び負のエネルギーが放出される。
この調子ならかなりの量を摂取されるはずだ。
と、その時、空から2つの光球が降ってくる。
それは地面に落ちると、小さな砂煙を起こした。


「待て!!」
「ここから先にはいかせない」

砂煙の中から声が聞こえる。
やがて煙が晴れると、そこにはぬいぐるみが喋っていた。

1匹は情熱の橙色、1匹は冷静の水色
2匹はまるで生きてるかのように動き、喋っている。


(ど、どういう事………)


自分は夢でも見ているのだろうか?
謎の転校生に謎の侵略者、それに謎の妖精………
そうだ、これは夢だ。  ほっぺを抓れば………


「いひゃい………」


え、じゃあこれ現実
何それイミワカンナイ


「貴様らは………確かスーノとルーノ……だったかな?
よくも我々の故郷を………!!」
「イーヴィル!!
もうやめるんだ!!」
「君達は何故、この世界に!?」
「妖精よりも地球人の負のエネルギーの方が一度に手に入る量が多い
負のエネルギーは我々が生きる上でどうしても必要なものなのだ!!」
「それでも止める!!」


スーノとルーノは小型の拳銃を召喚し、エネルギー弾を発射
クレアカネの羽根を攻撃していく。


「ピルルルッ!!」
「怯むな!!
我々は強化改造され無敵の肉体を得た!!
あんな偽善者共など、すぐに捻じ伏せられるはずだ!!」
「ピルッ!!」


バイタルはイヴィルエキスが内包している注射器をクレアカネに打ち込む。
クレアカネは一瞬、空中で悶えるがすぐに目を赤く光らせ、先ほどよりも巨大な火炎弾を放つ。


「ウワッ!!」


火炎弾は2匹に命中し、2匹を吹きとばす。
顔面から地面に衝突した為、大打撃をうけてしまった。


「流石は完成したての強化エキスだ!!

能力が桁違いだ!!
流石はイーヴィル!! 原理は分からんがとにかく凄い! 凄すぎる!!」

喜びを押されきれない様子のバイタル
もう彼を止めれるものはいない。
今の人類では彼、そして彼の駒に対抗できる手段はなかった。


「フフフ………」
「待って!!」


先へ進もうとするバイタルを遮るように立つ音夢
いや、正確には車椅子に乗っている為、立ってはいないが


「どうしてこんな事を………!!」
「フン、障害持ちの人間を無慈悲に殺す気はない
さっさとそこを去れ!!」
「嫌だ………!!」
「やれやれ、呆れた奴だ
最強の俺に立て付くとは………!!
いいだろう、その勇気を称えてこの手で潰してやる!!」


そういって腕にエネルギーを集中するバイタル
その圧倒的な圧力に怯えてしまうが、それでも逃げなかった。
ここで退いたら絶対良くない事が起こるから………


「死ねぇッ!!」
(ウッ………)
[プリキュライブ! キュアギャラクシー!!]


一瞬、何かが聞こえたような気がするが、そのような事を考えたのは一瞬であった。
私の前にそんな事を忘れさせるような眩しい光が現れた。
今までに見た事がないであろう高貴で鮮やかな光はそこにはあった。


「アナタは………!?」
「もう大丈夫 安心して」


虹色に光るピンク髪の少女
鮮やかに光る髪やコスチューム、そしてそれを纏う少女は余りにも整った顔つきをしており、こんな危機的状況にも関わらず、私はすっかり見とれてしまっていた。


「凄い………」
「貴様、我ら『イーヴィル』の邪魔をする気か!?
………ん? いや待てよ? お前、まさか………」
「………」
「黙秘権を行使する気か!? 許さん!!
ゆけ、クレアカネ!!」
「ピルルッ!!」


赤い鳥のような姿をしている巨大なそれは同じく巨大な翼を大きく広げ、そこから燃えた羽根のようなものを乱射する。


「危ない!!」
「………」
「えっ………?」


何故だろう。 私だったらその場ですぐに逃げ出したくなる状況なのに謎の安心感がそこにあった。
すると少女の腕が光ったと思うと前方に虹色のバリアが展開され、攻撃を防ぐ。
私はその間に車イスを使って後方に逃げ、その戦いを見つめる。
本当はもっと遠くに逃げるべきだったのかもしれない。
でも、この時は……いやこの時から私は彼女の近くにいれば『絶対大丈夫』というありもしない根拠を胸に秘めていた。


「来て………!!」


少女の手が突き出されると、変身に使った虹色に光るスティックが出現
さらにそのスティックは姿を変え、弓の姿となる。

流星のごとく鋭く放たれた矢はクレアカネの羽根を貫く。
クレアカネは悲鳴を上げ、翼から血の代わりに火の粉を撒き散らしながら、その高度を下げていく。


「…………」
[ギャラクシーフィニッシュ! 輝け銀河!!]
「プリキュア! ギャラクシーシュート!!」


腕から虹色の光線を放ち、クレアカネは光に包み込まれる。
クレアカネは爆発し、撃破された。


「この力………貴様、何者だ!?」
「私の名は………銀河の守護者、キュアギャラクシー!!」


それが私とキュアギャラクシーの出会いであった………