ゴープリ4-35
「『Go! プリンセスプリキュア』が3人目のプリキュア・キュアトゥインクルを仲間にしたがっていたように、ライプリの世界においても妖精マカラが新たなプリキュアを求めていた」


鎧武 43-34
「そんな中、市街地に悪のプリキュア・キュアウィッチらに操られたライブドール・仮面ライダーバロンが出現した………!!」


「これを食い止められるのはこの私、キュアギャラクシーだけ
今、ギャラクシーとバロンの戦いが始まる!!」


というわけで今回は「ライブスタープリキュア!」の第3話を載せる特別篇です。
一部、色々画像を加えたり、追加シーンも入れているのでPixivで既に読んだ人も楽しんで読んでもらえると思います。



第3話:戦いの現実


「ここか・・・・・・・・・」


美沙輝は今、ある小学校の前にいた。
彼女にはある目的があった。


「プリキュアになりそうな人材は早めにリサーチ、場合によってはそれを阻止しないと……」

美沙輝がここに来るキッカケは昨日の出来事があるせいだ。
昨日、怪人を撃破した後………


「!? もしかして………君なら………」
「?」
「ねぇ、プリキュアにならない?」
「え!?」
「おい………!!」


まるで「磯野ー! 野球やろうぜー!!」みたいなノリで言うマカラの「プリキュアになろうよ!」発言に苛立ちを隠せない美沙輝
しかし……


「なりたい……‥!!」
「なっ……!!」


その少女は興味を示したかのような反応を見せる。


「おいやめとけ。
プリキュアになるという事はそれまでの幸せな生活を捨てて、永遠に戦い続ける運命を背負うという事なる事なのよ。」
「『永遠』って……そんなオーバーな………」
「それにプリキュアになるという事は、アンタは私の敵って事ね。」
「な、何でー!?
同じプリキュア同士なら、協力しあうのが当然じゃ!?」


マカラが頬を膨らませる。
少女は目を仰天とさせていた。


「ダメよ。
全てのライブドールは私が手に入れる。
その障害になるものは全て排除する。
変身アイテムを壊せば、変身できなくなるでしょ?」


美沙輝は1人、歯ぎしりする。
まるでライバルが増えるのを心の底から拒んでいるようだった。

………もう誰も信用したくない。
昔も、誰も助けてくれなかった。 
どれだけ酷い目に合わされても皆、無視していた。
他人なんてもう信じたくない。 
でも、もう他人なんか信じる必要はない。
この力………プリキュアになれる力を得たんだから


「おい、アンタの名前は?」
「宮西愛花です…………」
「宮西か。 興味本位でプリキュアになるのは辞めとけ。
それにコイツを世話するのも結構、大変だぞ?」
「大丈夫です!」
「どいつもこいつも口だけは達者だな………」


美沙輝は頭を抱えた。 大体分かり切っていた返答でもあったが

そうして話した結果、今日から宮西とマカラは一緒に生活し、宮西が私の戦いを見た上でプリキュアになるか否かを決める、という事になった。
……それでも十分に危険だと思ったが、アイツらがどうなろうと別にどうでもいいのでそれで納得した。
『自分の事は自分で何とかする!!』と豪語していたが、果たしてどうなるのやら


[カイジンライブ! カメレオン・ゾディアーツ!!]


美沙輝はカメレオン・ゾディアーツに変身
姿を消し、学校に潜入する。

「これならアイツらの様子を監視できる。」

そう言いながら宮西が在籍するクラスに到着する。
どうやら授業中のようであった。


「学校に授業か………懐かしい響きね。」


中学生になって、夏にここに引っ越してからは定期試験の時期などを除けば、登校するのは皆無
しかも、定期試験も親に頼んで他の生徒とは別の教室で受けるようにしてもらっているので、他の生徒とは全く会っていないのだ。
それでも勉強などは最低限はやっている。
……まぁ最近は微妙に分からない所は増えてきているのを感じるが


「さぁて、宮西とマカラは…………いた。」


宮西とマカラは教室の窓際の席にいた。
自習が終わり、早速1時間目が始まろうとしていた、という様子だった。

「1時間目は数学か………
私は割と好きだな……… 小6は何をやるんだっけか?」

どうやら今日は分数の掛け算・割り算の授業だった。


「さぁて、新プリキュア(仮)の頭脳のお手並み拝見だ………」


授業が始まり、クラスメイトの番号順に生徒が当てられ問題に答えていく。
授業は順当に進んでいき、やがて、愛花の番となった。


「では、宮西さん答えてください。」
「ええと………」


愛花は答えるのにたじろいでいた。
少なくとも数学は苦手なようであった。


「答えは……」
「3/4! 3/4でしょ!?」
「はい、正解!! って今の声………誰!?」
「えっ……あの………」
「バカ………」


マカラは喋った事で教室は一時パニックになってしまう。
昨日と同じく頭を抱える美沙輝
しかし、マカラの出しゃばりはこれだけでは終わらなかった………


------------------------------------------------------☆ ☆ ☆--------------------------------------------------


「本物の……ヒーロー………」
「優奈ちゃん?」
「ひゃ、ひゃい!?」


貴佐の声で優奈は我に返る。


「どうしたの? 
もしかして、お母さんの体調が悪化したりとか………」
「あ、違います違います!」


確かに母親の事も考えていないわけではない。
事実、朝に咳き込んでいるのは気になったが、さほど問題ではないだろう。

だが、優奈がその時考えてたのは昨日の名も分からないヒーロー少女の事であった。
昔、両親が2人ともいて母親も元気だった頃、一緒に見ていたアニメの魔法少女………
中学生になった今となってはそれは所詮、架空の存在とは分かっている。 そのはずだった。


(でも………いたんだ!!)


優奈は昨日、はっきりと見た。
子供の頃に憧れた魔法少女………ヒーローに!!
ほとんど誰の助けも受けず、孤独な状況に母を助ける日々に明け暮れていた彼女にとって、ヒーローはまるで砂漠の中にあるオアシスのような存在であった。
ヒーローの力だったら母を助けられる力があるのかもしれない。
優奈の心の中に探究心が芽生えていた


(もしかして………密かに実在するって信じていたから会えたのかな?
もうフィクションと割り切っていたはずなのに……
信じていればきっと現実になるんだ………!!)


そう考えると俄然、気合が入る。


「よし! 午後も頑張ろう!!」


優奈は皿洗いを再開する。
そのテンポは先ほどとは段違いに速かった。


------------------------------------------------------☆ ☆ ☆--------------------------------------------------


その後の授業でもマカラは様々な失態を犯した。

先ほどのように答えが分かると勝手に声を出したり
体育や家庭科、美術の授業で人間が何かしているのを見ると、勝手に飛び出して他の生徒を驚かせたり
給食を食べたいと駄々をこねたり

………やっぱりコイツはダメだ。
オマケに愛花も変な目で見られるし(まぁ、彼女は人望が厚い人物らしいから多少の事では問題ないと思うが)、散々な一日であった。


「おい、お前………」
「ゴメンナサイ、マジでゴメンナサイ」


放課後、公園でマカラは土下座をして謝る。


「土下座すれば許してもらえると思うな。
どう考えても、今日1日で宮西がどんだけ『変な奴』だと思われたと思うんだ」
「だって………ずっと僕らの世界はあの事件が起きてから、ずっと妖精としての勉強で忙しくて妖精学校ではあまり友達がいなかったから………」
「だからって宮西に迷惑をかけていいという理由にはならないだろ。
もし、今日1日のせいで宮西が変な奴扱いされて……苛められるようになったらどうする?」
「それは……」
「だ、大丈夫だから!」

愛花は必死にマカラをフォローする。

「子供を甘やかすな。
甘やかしてばっかりはコイツにとって悪影響だ。 
ロクな大人にならない。」
「それはそうかもしれませんけど………」
「言っておくがプリキュアになる、という事はコイツをずっと面倒見ないといけない、という事よ。
食費とか大丈夫なの?」
「うん、分かってます………」


基本、美沙輝はただライバルが欲しくないだけであるのだが……
割と的を得ている発言もあるので、愛花とマカラは反論できないでいた。


「で、どうするんだ?」
「うーん……‥確かに迷惑はかけちゃうけどそれはまだこの世界に慣れてないからだと思うんです。

悪気があるわけじゃないんだし、もう少し一緒にいようかなぁ、って」

「優しいなぁ
何で、プリキュアになろうと思ったんだ?」
「私、全然自分に自信が持てなくて………
さっきの授業でもなかなか答えを言えなかったでしょ?」


確かに先ほどの数学の授業などでも愛花はなかなか答えを言わずしどろもどろしていた。
愛花はクリーム色の髪をクシャと触れながら、話を続ける。


「プリキュアになって、誰かを助けたり、悪を倒せる力を手に入れれば私も自信がつくかなぁ………って」
「そんな理由ならやめとけ」
「え!?」
「自分を変える方法ならいくらでもある。
何も命を危険にさらす方法でなくてもな。」

その時、市街地の方で爆撃音のような音が発生する。
どうやらダークネススパーク系列のアイテムが使われたようだ。

「出たな。 行くか。」
「あ、待って!!」
「私も!!」


------------------------------------------------------☆ ☆ ☆--------------------------------------------------


公園を飛び出し、市街地に入る美沙輝達
街では何者かが暴れている。
見ると、それは魔力弾を放っているキュアウィッチだった。


「またお前か~
ワンパターンは嫌いなんだよね~
もうそろそろ新幹部出すとかぐらいはしてもいいんじゃない?
それとも人材不足?」
「五月蠅いわね 今日はコイツよ!!」
「へいへい」
[サモンライブ! 仮面ライダーバロン!!]


禍々しい光が放たれ、その光の中から1人の男が出現する。


スペシャルー19
「キサマが俺の敵か」
「アンタは?
これまでの敵とは随分、雰囲気違うけど」
「俺は駆紋戒斗
キサマを倒し、俺の力をさらに示す」
「は? カメト? 亀斗? 亀子?」
「戒斗だ!!」

そういって戒斗は戦極ドライバーを腰に巻きつける。


[バナナ!]
「変身!」
[バナナアームズ!]


空にチャックが開き、そこからバナナ型の物体が出現
それが戒斗の頭を覆うように被さる。


鎧武 3-5
「は……バナナ!?」
「バナナ!?」
「バナナ!?」
「バロンだ!!」
[ナイト・オブ・スピアー!!]


鎧武 3-6
美沙輝達によって矢継ぎ早にバナナコールが上がる中、バナナ型の物体が展開して鎧が形成される
戒斗は西洋風のアーマードライダー・バロンに姿を変えた。


「何だ? 怪人や怪獣じゃないのか?」
「彼はアーマードライダー・バロン
かつて人間の自由と平和の為に戦った『仮面ライダー』の1人よ。」
「『自由と平和』?
そんなものに興味はない。 俺はただ力を求めるだけだ!!」
「面白いじゃない
何だかアンタとは近いものを感じる
同じ『力』を求めるもの同士、相手になってあげるわ!!
プリキュア! ギャラクシーライブ!!」
[プリキュライブ! キュアギャラクシー!!]


美沙輝はギャラクシーに変身する。
するとある事に気付く。


「そういえば・・・・・・・これはやった事なかったわね。
ぶっつけ本番でやってみますか。」


ギャラクシーはギャラクシースパークの先端を引っ張る。
すると先端が少し伸びる。


「ギャラクシースパーク・サモンモード!
頼んだわよ!!」
[サモンライブ! ガギ!!]


光が飛び出し、ガギが2mぐらいのサイズで召還される。
ガギは早速、光弾を放ちバロンを怯ませに入る。


「何!?」
「やっぱりアナタが出来るって事は私にも出来るって事ね。 面白いじゃない!!」
「キサマ、ふざけたマネを……
俺の名前を間違えた恨みは大きいぞ!!」
「上等よ! おい、お前らは下がってろ!!」
「う、うん! 愛花!!」


マカラと愛花はその場が引く。
それと入れ替わるようにウィッチがギャラクシーに襲い掛かる。


「邪魔はさせないわ。」
「丁度いい。 お前も一緒にブッ倒してやる。 そのバナナの亀子と一緒にな!!」
「バロンの戒斗だ!」


ガギと戦うバロンのいう事を無視し、ギャラクシーは剣を召還するとウィッチに斬りかかる。
ウィッチはウィッチクロスを出し、対抗する。


------------------------------------------------------☆ ☆ ☆--------------------------------------------------


「やっぱりいた!!」


優奈はギャラクシーとウィッチの戦いの場に現れる。
双方とも優奈の存在には気付いておらず、熾烈な戦いを続けていた。

「確かあの薄いピンクの色の服を着た子の方が正義のヒーローなのよね。
じゃあ、あっちの紫の子が敵幹部?」


ウィッチは魔力弾の軌道を自在に操り、ギャラクシーを攻撃していく。
ギャラクシーをバリアを張って対抗する。


「昨日の今日でリベンジ戦とはどういうつもりだ?
てか、一応聞くけどアンタら、ドールを暴れさせて何するつもりなのよ?」
「私の任務は人間の負のエネルギーの搾取
アナタにすぐバロンを倒してもらっちゃ困るのよ!!」


見るとバロンはインベスを2体召喚し、ガギを追い詰めている。
ガギにはギャラクシースパークを通して脳波で指示を送っていたが、美沙輝自身が指示に馴れていない為か苦戦しているようだった。


「だったら!!」


ギャラクシーが脳波で指示するとガギはバリヤーフィールドを展開する。
その中でインベスを追い詰め、エネルギー弾で撃破した。


「よし!」
「無駄だ!!」
[マンゴーアームズ! ファイト・オブ・ハンマー!!]


鎧武 8-1
バロンはマンゴーアームズになる。
武器も槍からハンマーに変わっていた。

「何だアイツ、姿も変えられるのか・・・・・・・・・!?」

「これがライダーの力よ!!」

ハンマーを振り下ろし、バリアをあっさり砕いたバロンはそのまま重い一撃を連続で放っていく。
ガギは怯んでしまい、対抗できずにいた。


[マンゴー.オーレ!!]
「はぁっ!!」


バロンはマンゴーのエネルギー体をガギに目掛けて放つ。
ガギは爆発し、ライブドールの姿に戻る。


「強者を装った弱者が真の強者に勝てる訳がないだろう」
「チッ!!」


舌打ちを打ったギャラクシーは急いでバロンの元へ向かい、ガギのドールを回収
バロンと追ってきたウィッチに対し、二刀流で対抗する。


「さすがにアナタでも2対1はキツイんじゃないの?」
「グ・・・・・・・・・!!」


使ってみて分かったがどうやらサモンライブは結構、体力を使うものである上、脳波で指示を送るのも結構大変
であった。
まだサモンに使用してないカメレオン・ゾディアーツを召還するのは美沙輝自身に危険を及ぼすため、出来ずにいた。
昨日、今日は愛花関連で色々あった為、サモンライブのテストをしていなかったのはかなり痛手であった。


------------------------------------------------------☆ ☆ ☆--------------------------------------------------


「どうしよう。 ヒーローさんが負けちゃう・・・・・・ん?」」


ギャラクシーの戦いを見守っていた優奈は何かを見つける。
それは建物に取り残されている少年達だった。
戦いの影響なのか辺り一面が炎に包まれ、少年達は熱とキズのせいで動けず泣き続けていた。
このままでは炎は少年達をも包んでしまうかもしれない。
ギャラクシーもそれに気付いたようだった。


「どうしよう……」


優奈は迷っていた。
自分自身で助けるのが一番確実
だが生身の少女である優奈では炎の中に飛び込んで、少年達を助けるのは不可能であるのは目に見えていた。


(私の力じゃどう頑張っても・・・・・・・
正義のヒーローさん、アナタが助けてあげて・・・・・・・・・)


祈るように念じる優奈
だが、ギャラクシーの思想は全く違うものであった。
ギャラクシーはすぐそっぽを向き、バロンに対抗する。


「え? どうして………? 可笑しいよ……!!
誰かを助けるのがヒーローなんじゃないの……?」
[カイジンライブ! カメレオン・ゾディアーツ!!]
「はあっ!!」


2対1で苦戦するものの、カメレオン・ゾディアーツは透明になりながら、ヒット&アウェイの戦法で上手く立ち回り、なんとか互角に近づけていく。
しかし美沙輝にも体力の消費が見えてきた。


「さすがに不利か………?」
「このまま勝てそうだけど………今回はここまでにしておくわ。」
「何?」
「私には他にやる事があるの。
そっちを優先させてもらうわ。」
(それにお姉さまの命令で殺すわけにはいかないからね)


そういってウィッチは姿を消す。


「待てッ!! 
…チッ、気配がなくなったか………」


舌打ちを打った美沙輝はギャラクシーの姿に戻った後、標的をバロンに移し、その場から離れる。
ギャラクシースパークは新たに槍の形状に変化させていた。


「え、ちょっと………!!」


残される優奈
周りには自分しかおらず、子供達の泣き声や叫び声が聞こえる。
だが、目前には火の海があり、生身の人間では近づく事が出来ない。
いずれは救助されるとは思うが……


「ウソ……でしょ?
ヒーローは弱い人を助けるもんなんじゃないの………?」


自分ではどうする事もできない。
優奈はペタンと地面に座り込んでしまった。


------------------------------------------------------☆ ☆ ☆--------------------------------------------------


一方、愛花はマカラと共に物陰に隠れていた。
もちろんギャラクシーの戦いの邪魔にならないように注意を払っているが、いつの間にかギャラクシーらはどこかへ行ってしまい2人きりになっていた。


「昨日も見たけど……やっぱり凄いよね。
プリキュアの戦いって」
「僕達の世界にいたプリキュアとは少し戦い方や考え方は違うけどね………」
「………」
「愛花?」
「私、戦うよ。」
「で、でも………」
「美沙輝さんの言葉の意味は重々理解してる。
私は普通の女の子、家族もいて、友達もいて、生活には何も不自由してない。
そんな子が戦いの運命を背負っても、美沙輝さんには『子供の道楽』にしか思えないのかもしれない。」
「愛花………」
「それでも! 私は助けたい!!
プリキュアになれば何かが変われると思うから!
マカラ、気を使ってくれてありがとう。
でもお願い。 私にも戦わせて!!」
「愛花………!! うん!!」


そういってマカラは専用アイテム、キュアチェンジャーを差し出す。


「さあ愛花」
「うん、いくよ! プリキュ……」
「させないわよ。」
[カイジンライブ! ダンガンロイド!!]


ターンッ……

突如、謎のガイダンス音声と銃声が響く。
マカラは一瞬、何が起こったのか分からずにいたが、すぐに何が起こったのかは分かった。


「え………」


愛花は胸に銃弾を撃たれ、そのまま地面に倒れた。
頭をぶつけ、そこと胸からは血が出ていた。


「ウ、ウワァァァァァァァァッ!!」


マカラは目の前の状況を理解するのを拒絶しようとしていた。
こんな目の前で、こんな街中で

―――――――大切な人が血を流して倒れているだなんて


「アアアアアアアアアアアアッ!?」


マカラは悲鳴じみた声を上げる。
愛花の元に近づき、触れると身体に彼女の血痕が付く。


「どう…して……?」


そういい、愛花は意識を失う。


「愛花!? 愛花!?」


メタロイドの1体であるダンガンロイドになったウィッチはクスクスと笑う。


「可哀想に、そんな妖精に構ったせいで………」
「僕のせいで………」
「さぁ、次は」
[カイジンライブ! デンジシャクバンキ!!]


デンジシャクバンキになったウィッチは強力な磁力を発生させる。
すると、優奈が手にしていたキュアチェンジャーが磁力に引かれ、デンジシャクバンキの手に渡る。


「あっ………!!」
「こんなもの……フン!!」


デンジシャクバンキはキュアチェンジャーを叩き割る。
キュアチェンジャーは粉々に砕かれ、もう使い物にならなくなってしまった。


「別の世界の技術で生まれたプリキュアは私達の計画には邪魔な存在・・・・・・・・
ここで退場してもらうわ。」
「あ、愛花ぁ……」
「そして次はアナタの番……」
「おい!! ここで何をしている!!」


取っ組み合ったギャラクシーとバロンがマカラの元に現れる。
ギャラクシーは状況を理解すると、銃撃でバロンを後ずらさせ後、マカラに近づく。
マカラは途方に暮れて、その場に佇んでいた。


「ギャラクシーが来たわね。
ここは引いておくか……」


元の姿に戻ったウィッチはそのままテレポートで姿を消す。
ギャラクシーの力は未知数 ここは引くべきだと判断したのだろう。


「ギャラクシー・・・・・・・・・!!」


マカラの思考は倒れた愛花、自らについた彼女の血痕、死への恐怖
あらゆる要素がゴッチャになり、その場に倒れこんだマカラは泣き崩れる。


「僕のせいで! 僕が戦いに! 僕が『プリキュアにならない?』ってお願いしたせいで!!
ウワァァァァァァァァァン!!」
「おい」


突然、ギャラクシーの平手打ちがマカラを襲う。
マカラは地面に叩きつけられ、血を流す。


「これよりももっと痛いのを宮西は食らった事、お前、死んでも覚えとけよ?」
「うん・・・・・・・・」
「見た所、まだ息はある。
大人がいる所までコイツを運んで、病院に連れて行ってもらえ。」

「分かった………」


マカラは妖精学校で教わった念力で愛花を持ち上げ、運んでいく。
心臓は間一髪撃ち抜かれなかったようなのでまだ可能性はあったのである。

「人を助けるのは好きじゃないけど・・・・・・・・・これ以上、あの妖精が騒いでいる中で戦うのもアレだからねぇ……さぁ、戦いの続きよ。」
「面白い
ここまで気分が高揚するのは葛葉との戦い以来だ!!」


ギャラクシーとバロンは再び槍でぶつかりあう。
戦いは互角だが、このままでは埒があかないと察してかバロンは距離を取る。

「戦いは力づくだけではない事を教えてやる!!」

そういってバロンは今度は3つのロックシードを使い、再びインベスを召喚
4人でギャラクシーを攻撃する。


「くっ!!」
「数で相手を制圧する。 これも1つの強さというものか………」
「やるじゃない。 でも………」

[レッドフィニッシュ!!]
「プリキュア! ギャラクシーファイヤーボム!!」


ギャラクシーの放った火球はインベス3体をあっという間に全滅させ、残りの火球はバロンに命中
バロンは建物まで吹き飛ばされる。


「グッ!!」
「私の勝ちのようね。」
「まだだ。 俺が屈しない限り、貴様の勝ちではない!!」
「その理屈、凄く好きだけど……本来の意志を封印され人形にされたアナタじゃ私には勝てないわよ!!」
「黙れ!!」
[バナナ.オーレ!!]
[イエローフィニッシュ!!]
「プリキュア! ギャラクシーエレトリック!!!」


バロンが撃ちだしたバナナのエネルギー体に対し、ギャラクシーは右腕から電撃を撃ちだして対抗する。
両者の攻撃は激しくぶつかり合う。


「実力は互角………だったら!!」


ギャラクシーは左手でブレイガンを撃ち放つ。
バロンは怯んでしまい、手元を緩んでしまう。
そのまま電撃はバナナのエネルギー体を押し出し、バロンに命中する。


「キサマ………!!」
「これが私のやり方、付いて来れる奴だけ付いて来ればいいわ。」


電撃を食らったバロンは爆発を起こす。


「よし」


バロンのライブドールを拾い、帰ろうとするギャラクシー
だが、そこに一人の少女……優奈が大の字になって立ちふさがる。


「どけ、私が通る道だ。」
「何で………?」
「は?」
「何で……何で、あの子供達を助けなかったのよ!!」
「いずれ誰かが助けただろ?」


実際、ギャラクシーの言うとおりであった。
あの後、非難できていない人を助けに来た救助隊が無事、子供達を救出し死人は出ずに終わったのだ。
しかし優奈はやはりギャラクシーの行動に納得できずにいた。


「アナタだって気付いてたわよね!?
アナタは正義の味方じゃないの!?」
「私はプリキュアにはなったけど、正義の味方になったつもりはない。
この力を誰に対して使うかは私が決める事だ。」
「だからって!!
目の前で傷ついてる子供がいたのに! アナタはそれを気付いていたのに!何で放っておいたのよ!?」
「力の使い方は人それぞれだ。
それに私からしたらむしろ、お前の方がおかしい。
誰も救う力もないのに何故、私にそんな事を言う。 
アンタが助ければよかっただろ」
「なっ……!!」


ギャラクシーの口から信じられない言葉が出る。
確かに、私が助けられればそれがベストだと思うけど……


「弱い奴はいつもこうだ。
自分は何も努力しないのに強い奴に勝手に責任を押し付け、失敗すれば掌返して文句を言う。 
……お前、私の親と同じレベルで最悪な人間だな、見ると吐き気がする」
「……ッ!!」
「収まる所に収まっていて、弱くても弱いなりに努力している奴はまだいい。 
ソイツらには見所がある 自分の立ち位置を理解しているんだからな
だが…弱く、すぐに強者に泣きつく弱者は真の弱者だ。
そんな奴に生きてる価値はない」
「そ、それは……」


確かにそうだ。
自分は自分で出来ない事を他人に押し付けているだけだ。
それは言い逃れの出来ない事実だった。
でも………


「それでも! 私は、そんな事を平気で言う人をヒーローとか正義の味方って思いたくない!!
アナタを正義のヒーローだと信じた私がバカだった!!」
「勝手に思ってろ
戦う力もないくせに
人間ってのは本当に卑怯だよね。
力もないのに口だけは達者で、何も出来ないのにね
オマケに『信じてた』だと? そっちが勝手に信じただけでしょ?」
「アナタだって人間でしょ?」
「違う、私は……プリキュアよ。
いずれ、全ての人間を支配する存在よ」


ギャラクシーは溜息をつき、優奈を見る。
その目つきは絶対零度の冷たさを放つ目つきだった。


「ホント迷惑
アンタの勝手なヒーロー像を私に押し付けないでくれる? ホント不愉快
自分じゃ何も出来ない癖に さっさと消えろ
お前を見てると吐き気がしてくる」
「グッ………!!」


ギャラクシーは静かに歩き去る。
優奈は歯を噛みしめながら、それを見ながらその場で呆然としていた。


------------------------------------------------------☆ ☆ ☆--------------------------------------------------


とある病院で愛花の治療は行われた。
大量に出血していたが、なんとか他の被害者と同じく命を取り留めたようだ。
だが重症ではあり、命を取り留めただけで本人は全く、意識を取り戻す様子はなかった。
それどころかしばらくは目覚めないのではないのか、というのが医者の見解だった。

……というのがカメレオン・ゾディアーツになって透明化して盗み聞きした情報の総括であった。
ちなみに美沙輝がここに来たのはマカラの行動を見張る為である。


マカラと私は人がいない病院の一室にいた。
マカラは泣きはしなくなったが目は完全に死んでいた。
余程、自分のせいで愛花を殺しかけてしまった事がショックらしかった。


「僕のせいで、僕のせいで・・・・・・・・・!!」
「泣けば何でも解決すると思ったか?」
「ゴメン・・・・・・・・」
「これからどうする?」
「元の世界に戻るよ・・・・・・・・・」
「『殺しかけてしまったから、自分が消えて責任を取る』ってか。
とことん妖精らしい甘い考えだな。 お前が消えた所で何も解決しない。
私からすればむしろ、『責任を放棄して逃げ出しただけ』にしか見えないね。」
「でも戻ってくる!!」
「何?」

見るとマカラは先ほどとは違い、強い目をしていた。

「お前、また知らない人間を巻き込もうと……」
「僕はもっと強くなる。
プリキュアに頼らなくても悪と戦えるぐらいの力を身につけて!!
もちろん愛花に許してもらえるとは思ってない! でも僕はこのままじゃいけない!!
もう誰も傷つけさせない。 その為の力をつける為の帰省なんだよ!!」
「以前、別の世界に行くのは大変と言ってなかったか?
またこの世界に来れるのか?」
「大丈夫、信じて・・・・・・・!!」
「お前なんてどうでもいい。 勝手に信じてろ。」


そういってマカラは光のゲートを作りだし、それに近づく。
あと1歩と言う所で美沙輝を振り向く。


「ありがとう・・・・・・・・・」
「何?」
「思えば最初から美沙輝の言うとおり、すぐ帰っていれば誰も傷つけずに済んだんだよね。
もっと僕がプリキュアの戦いがどんなに言い繕っても『命のやり取り』だって事をもっと重く受け止めていれば……!
僕がもっと自分の実力を弁えていれば・・・・・・・!!」
「フン、使命とかに縛られているからそうなるのよ。。」
「美沙輝は口は悪いけど、本当は優しい子って事は僕には分かるよ。
けど、何か事情があるから誰よりも力を求めていて、高慢で冷たいんでしょ?」
「・・・・・・・・・さぁな
私はあくまで力を求め、その障害になりそうな奴を潰すだけよ。」
「『潰す』って言っても、殺しはしないでしょ?
もし本当に潰す気だったら、愛花を病院に運ぶように促さないはずだよ………」
「………」
「また会おうね、美沙輝・・・・・・・・・・!!」
(いや、個人的にはもう会いたくないんだけど………)


それを最後にマカラは光の中に消えた。
美沙輝はそれを最期まで見届けていた。 自分でもその理由は分からなかった。

------------------------------------------------------☆ ☆ ☆--------------------------------------------------


帰路に着こうとする美沙輝
その時、救急車が現れ、中から担架に乗せられた人が現れる。
それに付き添う人に美沙輝を見覚えがあった。


「礼丈さん、しっかりしてください!!」
「お母さん! お母さん!」
「礼丈・・・・・・・・?」


そう、それはつい数時間前にギャラクシーとして対面した優奈の姿だった。
どうやら母親が倒れてしまったようだ。


「まっ、私には関係ないけど」

美沙輝は1人、家に帰っていった。


1419320548058
「結城友奈が活躍する2年前、四国には3人の勇者がいた。
次回は鷲尾須美ら、3人の勇者のおとぎ話の序章を振り返っていこう…………!!
次回、ヒーロー列伝! 『3大勇者出陣! 鷲尾須美は勇者である!!』」